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医療関係者・患者さんとのコミュニケーション

「信頼される医療パートナー」を目指して

医師や薬剤師などの医療関係者に対する情報提供・収集・伝達に関し、特に重要な役割を担っているのはMRです。
人と人とのつながりを大切にし、患者さんとそのご家族、医療関係者との架け橋でありたいという「BRIDGE」の活動コンセプトのもと、活動しています。
多様な症状・病態を示す患者さんを治療する全ての医療関係者に対して、患者起点による情報提供活動により顧客一人ひとりのニーズを満たし医療貢献の実現を目指しています。
また、コンプライアンス遵守に対する定期的な研修体制、業務記録の作成・管理をはじめとしたコンプライアンス違反を未然に防ぐ体制を構築し適正な情報を正確かつ迅速に提供して参ります。
そのような活動により、MR活動の継続的な改善・向上を目的とした外部機関による医療関係者を対象としたアンケート調査において、全市場・病院市場・開業医市場すべての市場で2018年度もMR活動に関する総合評価第1位をいただきました。
今後は、がん資格制度の導入による専門知識のレベルアップを図り、あらたに「がんを担えるMR」を増員し、従来の循環器領域をはじめとしたプライマリ領域に加え、がん領域まで幅広い医療関係者への情報提供活動を行ってまいります。

・アンケート評価

MR総合評価 2016年 2017年 2018年
全市場
(全回答医師)
1位
(N=3,919)
1位
(N=6,462)
1位
(N=6,175)
病院市場
(病院医師)
1位
(N=2,240)
1位
(N=3,979)
1位
(N=3,980)
開業医市場
(開業医師)
1位
(N=1,679)
1位
(N=2,483)
1位
(N=2,195)

出所:株式会社アンテリオによる調査(2016 ~ 2018年度)

患者さんの安心・安全な服薬を目指して

自覚症状が少ないことから治療継続率が比較的低いとされている骨粗鬆症治療において治療継続率の向上による寝たきりのない社会への貢献を目指して、「投与時期お知らせカード・シール」や「サポート手帳」の提供、次回投薬予定日を手紙やメールでお知らせする「登録システム」を構築し治療継続のサポートを行っています。このシステムへの登録数は約12万人を超え、これらのサポートを行うことで12ヶ月治療継続率は約90%、18ヶ月治療継続率は約80%と高く、多くの方の治療継続サポートにお役立ていただいています。
吸入薬の服用に際しては、吸入に必要な「吸う力」があるかを確認するための「笛」を医療機関へ提供しています。医療関係者による服薬指導の際のサポート、服薬に対する患者さんの不安を少しでも軽減することを目的としています。特に小さなお子様をお持ちの親御さんの安心感に繋がっているとの反響を頂いています。
患者さんの飲み間違いの防止・識別性の向上や服薬コンプライアンス向上を目指し、薬剤名の両面カタカナ印字製剤や水なしですばやく溶けるOD錠(口腔内崩壊錠)を提供しています。
患者さんが安心して治療していただけるサポート体制の充実、製剤・表示・包装の工夫による患者さんの安心・安全な服薬サポートに貢献して参ります。

医療関係者への質の高い情報提供

医薬品はその性格上、ベネフィット・リスクバランスの上に成り立っているため、製薬企業が有効性・安全性に関する質の高い情報を創出し、医療現場へ情報提供することによって適正使用の推進に役立てていくことが重要です。特に新薬の発売当初は、開発段階での有効性・安全性が確認されてはいるものの、医療現場の多様なニーズに応えるだけの情報が十分そろっているとはいえません。当社グループでは、関係ユニットが協力し、それぞれ専門的な視点から必要な情報や不足している情報を特定し、上市後に実施する製造販売後調査*1などから、医療関係者の協力を得て情報を創出しています。その結果を医学専門雑誌、学会発表、適正使用資材などを通じてタイムリーに医療関係者へ情報提供していくことで適正使用を推進し、医療への貢献を目指しています。
質の高い情報とは、コンプライアンス遵守の下で創出された医学的・科学的に価値がある情報を意味します。したがって、製造販売後調査などの実施においては、関係法令やガイドラインの遵守、倫理性、科学性といった観点で確認しています。さらに、何れも医療機関との契約に基づいて行うことで透明性を確保し、利益相反を適正に管理することによって、公正な情報の創出に努めています。
また、これらの情報提供においては、製造販売後の医薬品等に関する安全管理業務の責任を負う安全管理責任者、製造販売後調査業務の責任を負う製造販売後調査等管理責任者、医薬品等の品質を保証し市場への出荷に関する責任を負う品質保証責任者及び医薬品等の品質管理と製造販売後の安全管理に関する統括責任者である総括製造販売責任者が、適宜連携し実施しています。なお、これらの責任者はいずれも会社が任免しています。

  • *1GPSP(医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準)省令に基づき製薬企業と医療機関が契約し、製品を対象として製薬企業が実施する日常診療下での調査をいう

医療関係者からの情報収集とフィードバック

国内医療関係者から収集する市販品や治験薬の副作用などの安全性情報は年間約40,000件、国外提携会社からの情報を含めると年間約157,000件の情報が集まります(件数は2018年度実績)。安全管理統括部門では、これらの情報をグローバル安全性データベース管理システムに入力して評価を行い、規制で定められた基準に従って遅滞なく規制当局へ報告しています。さらに安全性情報に関する分析をグローバルで行い、得られた最新情報を医療関係者にフィードバックしています。

・情報収集・提供の流れ

情報収集・提供の流れ

患者さん・医療関係者の方々からの問合せ対応

患者さん・医療関係者の方々からの当社医療用医薬品に関する問合せは、製品情報センターが担当しています。月7,500件、年間約9万件の当社製品に関するお問合せに対し、正確な情報をお伝えするとともに、誠意を込めて親身に対応するよう心掛けています。
2018年度は「回答のスピード」、「説明のわかりやすさ」、「問合せ内容以上の情報提供」などの改善に取り組みました。その結果、保険調剤薬局を対象としたアンケート調査*2において、2018年度は総合満足度をはじめ評価8項目(下図参照)全てにおいて、3年連続第1位の評価を得るとともに、2位企業との差を拡大することができました。
「回答のスピード」については、以前よりQ&Aの新規作成、製品知識の習得のための研修体制の構築などの取り組みを行っていますが、即効性のある効果的な向上策として、人工知能(AI)を利用したコールセンター支援システムの導入を決定し、2018年4月より他社に先駆けて活用を開始しました。本システムは患者さん・医療関係者の方々から寄せられる質疑の意図、意味を解釈し、関連の高いQ&Aを瞬時に見つけ出し、最適な回答を照会対応者に提案します。本システム活用により、知識、経験によらず、最適なQ&Aを迅速に見つけ出すことが可能となり、患者さん・医療関係者の方々に回答を伝えるまでの時間を短縮できるようになりました。また、「説明のわかりやすさ」、「問合せ内容以上の情報提供」に向け、応対事例研修を実施しました。これらの取り組みにより、アンケート調査での高評価に繋がったと考えています。

医療関係者の方々や、患者さんご自身をはじめそのご家族や介護者の方々の疑問や不安の解決に貢献し、「第一三共製品情報センターに問合せをして良かった」と満足していただけるように、知識や応対スキル向上のための研鑽を重ねるとともに、AIなどテクノロジーも活用し、より充実した情報を提供していきます。

  • *2 外部調査会社への委託による調査
【VOICE】お問合せいただく方の期待に応える照会対応を目指します

三木田 操第一三共株式会社
メディカルアフェアーズ本部
製品情報部
製品情報センター第二グループ
三木田 操

製品情報センターは医療関係者や患者さんなどから寄せられる当社製品に関するお問合せ対応を担当しています。会社の代表として、お問合せいただく方の状況を踏まえた正確・迅速・丁寧な情報提供を心掛けています。幅広いお問合せに迅速かつ正確に対応するため、製品や疾患病態等の知識習得に努めるとともに、2018年4月より導入した人工知能(AI)を備えたシステムを全面的に活用し対応しています。これにより対応者の経験によらず全てのセンター員が最適な情報をより迅速に提供できるようになりました。さらにAIの精度向上のためのAI教育とQ&Aの充実化にも取り組んでいます。また、社外のお問合せの99%は電話にて寄せられるので、朝の連絡会での発話練習や、外部機関での応対品質評価に基づく個人別課題の改善など電話応対スキルの向上にも取り組んでいます。
今後も、『医療のお困りごとの解決に貢献』するために、AIなどハード面の活用と、知識と応対スキル等のソフト面の向上に取り組み、お問合せいただく方の期待に応える照会対応を目指してまいります。

・製品情報センターへの問い合わせ件数(患者さん、医療関係者)

製品情報センターへの問合せ件数(患者さん、医療関係者)

・製品情報センターへの問い合わせ内容分類(2018年度)

製品情報センターへの問合せ内容分類(2018年度)

「お客様の声」を活かす仕組み

患者さんや医療関係者から寄せられる「お客様の声:VOC(Voice of Customer)」は、当社にとって何より貴重な情報であると考えており、製品情報センター等へ日々寄せられる「お客様の声」を収集・分析・評価し、VOCポータルを活用した社内への迅速な情報共有や、抽出された課題を提案することにより、多様な医療ニーズに向けた具体的な改善策の立案に繋げています。その結果として、製剤や包装の改良の実現に繋がった一部の内容につきましては、第一三共ウェブサイト内の「皆さまの声をかたちに」にて公開しています。また、今年度より問合せの背景にある臨床的な疑問(クリニカルクエスチョン)を見つけ、医療のお困りごとの解決につなげていきたいと考えています。今後もお客様の声を活かしたより良い製品の創造を通して、変化する医療ニーズに迅速に対応していくことが、社会への貢献につながるものと考えています。

「皆さまの声をかたちに」は、こちらをご覧ください。

患者さんとのコミュニケーション

当社グループでは、患者さんとのコミュニケーションを重視しています。医療機関や調剤薬局で処方された当社グループの製品情報についてのお問合せを直接お受けする製品情報センター、薬の開発や医療関係者を通じた間接的なコミュニケーション、および薬について理解していただくための補助的なコミュニケケーションツールである「くすりのしおり」の当社ウェブサイトへの掲載など、患者さんとのコミュニケーションをさまざまな形で行っています。

メディカルアフェアーズ活動

MAユニットでは、2017年10月よりグローバルMA体制を立ち上げ、「がん領域」ならびにがん以外の「Specialty & Value Product領域」の2つの疾患領域に注力し、各製品のグローバルメディカルプランの立案と、それに基づく情報創出・発信活動を日・米・欧・ASCAの4極において推進しています。
2025年ビジョンとして制定した“MA unit strives to be a transformative strategic partner to deliver value-added medical solutions to enhance patient lives”の実現に向け、第一三共グループが世に送り出す医薬品に関する価値の高いエビデンスを産み出し、社会に広く発信する活動を通じ、医薬品の治療における貢献を最大化することで、世界中の医療従事者や患者さん/患者団体等、医療を提供/享受するステークホルダーの皆さまに最適なメディカルソリューションを届けるパートナーとなることを目指し、日々の活動にあたっています。
2017年4月より「メディカルサイエンスリエゾン」の担当者を配置し、社外医科学専門家との医学的・科学的情報交換を通じてクリニカルクエスチョン(=薬剤の使用に際しての患者さんや医療現場における疑問点)を特定し、それらを解明するための企業主導型臨床研究を企画・推進して新規エビデンスを取得することにより、患者さんや医療現場に必要な情報を創出・発信しています。また、医師主導型の臨床研究の支援も行っています。2019年はメディカルサイエンスリエゾン活動の範囲を新製品3品目に広げて新規エビデンスの取得に取り組み、できる限り早期に有用な情報を患者さんや医療現場の皆さまに届けるようにしていきます。

COMPASSを通じた取り組み

患者さんのニーズに応える創薬を実現したい!そんな想いから研究開発本部ではCOMPASS("Compassion for PatientsStrategy)活動として、病院研修や講演会等、患者さんと繋がる機会を企画・提供しています。
5年目を迎えた2018年度は、前年度に引き続き患者さんとそのご家族、医師、そして社員が共同で、病気と診断された患者さんの行動や心理の変化を時系列に可視化したペイシェントジャーニーマップ(PJM)の作成を企画しました。その他にも患者さんからは疾患や生活に関するお話を伺い、また私たちからは製薬会社の仕事についてお伝えすることで相互に理解しあえる機会を設けました。様々な企画の中で、私たちが考える「患者さんにしてあげたいこと」と私たちが患者になった場合に「(周りに)して欲しいと思うこと」にはギャップがある、という気付きはCOMPASSを通じて得られた成果の一つでした。特に2018年度はCOMPASSメンバーだけでなく、関係プロジェクトの研究者や開発担当者とともに企画の策定・準備・実行を行ったことで、研究開発本部における「患者志向の創薬を目指す」という考え方の浸透を実感し、取り組みの更なる充実化に繋がったと考えております。
2019年度も従来の企画の継続や発展系企画の提供により、私たち皆が患者さんや医療現場の理解を深め、患者さんのニーズに応える創薬を目指せるような土台となるよう取り組んでいきます。

ATM財団とのダイアログの様子

ペイシェントジャーニーマップの作成を通じた対話風景

製剤開発のための海外医療関係者の声を聞く活動

当社は、患者さん、医療関係者とのコミュニケーションを通して、医療現場における真のニーズに寄り添い、使いやすさ・満足感・安心感などの価値を付与した製剤開発に努めています。その一環として、製剤開発に関わる研究員が、日本のみならずグローバル視点でのニーズ把握のため、海外の薬局、病院訪問などを行い、医療関係者の生の声を聞く活動を推進しています。海外グループ会社との協働により、活動範囲を拡大しており、米国、ブラジル(2014年度)、韓国、中国(2016年度)、ドイツ(2017および2018年度)での、研究員による医療現場訪問などを継続しています。
なお、本活動は、研究員の社会貢献活動意欲向上という好影響にもつながっています。

より飲みやすく、飲み間違いが起こらないための製剤・表示・包装工夫

第一三共エスファでは、飲みやすく、飲み間違いが起こらないような工夫をしたジェネリック医薬品を展開しています。
例えば、錠剤の両面への薬剤名などの印刷、PTPシートへのバーコード表示やオリジナルシンボルの表記により、識別性を高めています。他にも薬剤個装箱への表示工夫「iパッケージ」を導入しています。iパッケージは、①「使用期限」「製造番号」情報が入ったコードや、薬剤棚の名札や残シート管理に活用できる切り離し可能な製品情報カード 、②開封前に錠剤の外観の確認が可能なイメージ図、③添付文書の閲覧が可能なQRコードを表示しています。
オーソライズド・ジェネリック(AG)*3についても、錠剤の両面への薬剤名などの印刷や「iパッケージ」を導入しました。
また、抗がん剤などの比較的リスクの高い薬を、患者さん以外のご家族、特に小さいお子さまが誤って服用してしまう事例があることから、第一三共エスファでは、お子さまが誤って服用するリスクを未然に防止するだけでなく、薬剤の誤接触や飛び出し防止を目的としたPTPシート用外装ケース(名称:C-ガード/チャイルド‐ガード)を開発しています。

  • *3 先発医薬品メーカーからの許諾を受けて製造される後発医薬品

患者さんに優しい包装デザイン賞の受賞

第一三共ヨーロッパは、2016年10月、包装デザインによる患者さんの服薬サポートへの貢献により包装デザイン賞を受賞しました。運動機能障害がある患者さんや高齢者にも開封しやすいデザインに加え、飲み忘れや飲み間違い防止のための服薬日の表示、オンラインで製品情報を参照できるQRコードの配置など、患者さんの服薬コンプライアンス向上のためのさまざまな工夫を行っています。

第一三共株式会社